適応障害 – 天下茶屋メンタルクリニック|心療内科・精神科

適応障害とは、ある特定の状況や出来事（近親者との死別、職場における人事異動や転勤、学生における受験や部活動、転校、またはそれらに関係する人間関係の悩みなど）により、つらく耐えがたいストレスを受け、行動面での問題が引き起こされる障害です。
適応障害は心身のさまざまな症状が現れます。一例として、憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また遅刻、早退、不登校、無謀な運転、粗暴行為などの行動面の症状がみられることも特徴です。
ストレスの原因ははっきりしている事が多く、原因の状況や出来事から距離を置くことで症状は次第に改善します。
しかしストレスの原因からすぐには離れられない、変えることが難しい場合、そのままにしておくと症状が慢性化してしまうこともあります。
自分の事かもしれないと感じたときは、お早めにご相談ください。
適応障害はストレスの原因から距離を置くおくことで、改善が期待できる障害です。
たとえば職場の人間関係がストレスとなっている場合は出勤日には憂うつで強い不安を覚えますが、休日には憂うつな気分や不安が軽減して趣味を楽しむことができる場合もあります。

適応障害の症状

1. 精神面の症状

物事をなんでも悲観的に捉えてしまったり、わけもなく憂うつになったり、喪失感に襲われたり、些細なことでも泣くようになるなどの特徴を持ちます。
またささいなことでイライラしてしまい怒りっぽくなるのもよくみられる特徴の一つです。

2. 身体症状

会社に行こうとするとお腹の調子が悪くなったり、胸がドキドキしたり、めまいがしたり、頭痛が起こってしまったり、手が震えたり、前の晩に明日会社に行くことを考えると眠られなくなるといった特徴を持ちます。

3. 行動面の症状

職場での態度があまりにも悪かったり、無断欠席や無断欠勤を繰り返してしまったり、お酒を過剰に飲んでしまったり、事故を起こすような運転をしたり、喧嘩をしたりなどの異常行動が特徴です。

適応障害の治療

1. ストレスの原因を取り除く

適応障害の治療には、ストレスの原因を取り除くなどの環境調整が何よりも重要です。
仕事のストレスが原因と考えられる場合、時には業務負荷の軽減や休職なども有効な治療法となります。
当クリニックでは、経験豊富な医師が患者さんに応じて適切な環境調整の方法を提案し、休職をされた方に対しては、休職から復職、復職後の経過まで長期的な視野で、診療致します。

2. 行動療法

早急な環境調整が難しい場合、並行して、本人の適応力を高めるための治療をします。
ストレスの原因を本人はどのように受け止めているかを考えると、その人の受け止め方に思考の癖があることがよくあります。
この癖に働きかけて現在の問題に対処していけるよう手助けをする治療法です。

3. お薬による症状の緩和

症状緩和のために薬物療法という方法もあり、不安や不眠などに対しては抗不安薬、うつ状態に対して抗うつ薬を使うこともあります。
ただし適応障害の薬物療法は、あくまで症状を和らげる対症療法であり、根本的な治療ではありません。
つまり適応障害の治療は薬物療法だけではうまくいかないことが多いため、やはり環境調整が重要になります。